例えばあなたがレストランの店長だったとします。
次のうち、どちらの客に対して「より良い料理、サービスを提供しよう!」と思いますか?
(1) いつも楽しく食事して、帰り際には「チップ」として少し多めの支払いをしてくれる客
(2) 毎回かならず難癖をつけて値引きを要求し、結局料金表通りの支払いをしない客
…どう考えても(1)ですよね。
業種にかかわらず、商取引とはそういうものです。
「金払いが良い客が大事にされる」のが鉄則です。
ところがどうもこれを理解していないタイプも結構いらっしゃるようでして。
それも個人ではなく、組織としても…
「支払いは1円でも安く、1日でも遅くした方が勝ち」と信じているようなのですね。
とても大きな間違いなのですが、このタイプの発想、過去に「費用に見合ったサービスが受けられず、悔しい思いをした」という辛い思い出があってのことなのかも知れません。
さてさて若きITエンジニアの皆さん。
仕事を続ける上では、「受注者」になることも、「発注者」になることも十分に起こり得ます。
「受注者」になるのであれば、「金もらったら後は知らない」などという貧しい発想は絶対にしないでください。
職業人として失格な上に、上述のような「受注者を苦しめる不幸な発注者」を生み出すことにもつながります。
「発注者」になるのであれば「受注者」がちゃんと応えてくれる良い相手であることを確認出来てからで良いので、「金払いの良い客」になるように心がけましょう。
間違っても「不具合がまだ出ている。支払いは不具合ゼロになってから。遅れたペナルティとして追加仕様の開発も終えてからだ」などという無体な要求を叩きつけないように。
(不具合はゼロになりませんし、一方的な追加要求は法に抵触します)
特に相手が「小さな会社」だと、その瞬間に「より良い情報システムにしよう」という発想は霧散し、「いかにして金もらってすぐに逃げるか」という発想に切り替わります。
結果的にあなたは大きな損をする上に、そのことに気づくことすら出来ないまま職業人生を続けてしまうことになります。